一面の茶畑の中央部にこんもりと茂った一本の大きな杉の木があります。
この杉の木下で弘法大師が昼時になり、杉の枝で作った箸で昼食をとりました。その後で箸を出水のほとりの地面に突き刺しておきました。
やがて、その箸から根がついて芽が吹き、大きな木に成長したもので、土地の人々は『弘法杉』とよんでいます。この伝説のある弘法杉は誰も登ったこともなく、もちろん枝も切ったこともありません。
こんもりと茂った杉ではありますが、厳しい鈴鹿おろしの風に吹かれて近年東よりに傾く気配に心ある人の発案により、杉の木の周囲を石垣で囲み、傾かないように補強をして保全に努めています。